賃貸マンションの家賃は同じ間取りでも階数で異なる

賃貸マンションの家賃は同じ間取りでも階数で異なる

賃貸マンションを借りる場合、同じ物件でも1階と10階では家賃がかなり違うことがあります。これは購入する場合も同じことで、基本的には階数が高くなればなるほど値段は高くなります。なぜ、こういうことが起きるのでしょうか?また、高い家賃を払ってまで高層階に住む価値はあるのでしょうか?

マンションの家賃はなぜ違う

一般的にマンションの家賃は1階部分を基準に決められていきます。たとえば、1階が80,000円なら2階は82,000円、3階なら84,000円という具合です。ただし、これはエレベーターがある場合です。エレベーターなしの4階以上の階は敬遠される傾向になるので、家賃が変わらなかったり、どちらかと言うと安くなっているという場合もあります。

また、一見同じ間取りに見えても、微妙に違うことがあります。たとえば、上の階は玄関と居室の間に一枚ドアがあったり、バストイレが別になっていたり、というような違いですが、これでも家賃には差が出てきます。

多くの場合、同じ建物なら高層階のほうが日当たり、風通しがよく、外の騒音も入ってきづらくなります。眺望も高層階のほうが気持ちがいい場合が多いですよね。ただ、必ずしも高いほうが住み心地がいいとも限りません。

1階に住む

何かと嫌われがちな1階ですが、メリット、デメリットをしっかりわかった上で住むのなら、それほど悪い物件ではありません。

1階に住むメリット

1階に住む場合、なんと言ってもいいのが利便性です。階段の上り下りやエレベーターの待ち時間がないので、朝のあわただしい時に忘れ物をしてしまってダッシュで取りに帰るのも楽です。また、大荷物の搬入や搬出、ゴミ出しも楽です。

いざというときに安心

災害が起きた時に足の不自由な人、小さな子ども、たくさんのペットがいても脱出が容易で、さらに給水場から水を運んでくる時も階段の上り下りがないのはとても楽です。災害の時だけでなく、エレベーターが保守点検で止まっていることもありますが、1階であればその心配をする必要がありません。

ガーデニングができる

1階で庭付きの物件なら言うことはありませんが、たとえベランダでも、2階以上だと風で土が飛んだり植物が傷んだりすることがありますが、1階は比較的簡単にガーデニングを始めることができます。1階に住んでガーデニングをしたいと思うなら、日当たりのいい物件を選びましょう。

逆に安全なことも

人通りの多い通りに面した1階の場合、空き巣に入られにくいということも考えられます。空き巣が一番嫌がるのは人の目ですから、多くの人の目にさらされる1階は逆に入られにくいという面もあります。

1階に住むデメリット

便利な一方で、1階にはプライバシー面などいくつか気を付けなければいけない点もあります。特に女性は気を遣う必要があるでしょう。

防犯面

特に女性の場合気になるのが防犯面です。道路に面した1階は、覗かれることもあるし、洗濯物泥棒のおそれもあるので外に洗濯物を干すのは躊躇されます。また、いたずらの被害があるかもしれません。

庭部分にゴミを投げ入れられたり、ひどい時には鍵穴に接着剤のようなものを詰められるという被害も過去にはありました。たとえマンション自体がオートロックでも、1階だと掃き出し窓などから容易に侵入されるケースもあります。

カーテンが開けられない

窓が通行人の視線に入ってしまう場合、天気のいい昼間でもカーテンやすだれは必須です。これは少しストレスになるかもしれません。

害虫が出る

ゴキブリ、ムカデ、ゲジゲジ、アリなどできればお会いしたくない害虫の類も1階のほうが被害は大きくなります。

騒音問題

これは集合住宅に住んでいる上では避けられない問題ではあります。上の階の足音が響いたり、また子どもがいる場合にはドッタンバッタンが聞こえるかもしれません。ある程度の騒音は仕方ないとあきらめるしかないのですが、どうしても騒音を最低限にしたいと考えたら、内覧の際などに上の階に誰が住んでいるのか調べましょう。

上の階に住んでいる方が静かそうな老夫婦だったら若い方に比べたら静かかもしれません。もっとも、賃貸物件の場合住民の入れ替わりが激しいので、いつまでその老夫婦が住んでいてくれるかはわかりません。またフローリングは音が響きますので固いものを落とすと、自分が考えているよりも音が響くので、畳の物件のほうが静かかもしれません。

中層階に住む

2階や3階といった中層階は、高すぎず低すぎず、ちょうど暮らしやすいところということもあり、一番人気の物件です。

中層階に住むメリット

2階以上の部屋の場合、道路から離れている分だけ1階部分とは解放感が違います。それだけ日当たりや風通しもよくなるし、天気のいい日には思いっきりカーテンを開けられるのは大きなメリットです。

1階よりは安全

道から直接手が届きにくい分だけ、洗濯物泥棒の被害にも遭いにくくなりますし、部屋にいたずらされることも少ないでしょう。

温度がちょうどいい

1階だと冬に底冷えがつらい時があります。最上階では、夏の直射日光で部屋が蒸し風呂状態になることがあります。中層階なら、そのどちらの心配もなく四季を通して暮らしやすいものです。

階段が苦にならない

エレベーターがなかなか来ない時は階段を使うこともできるのは、なかなか便利です。高層階だと階段で上がると思うとげんなりしますが、5階程度なら急いでいる時には階段を使ったほうが早いですよね。

中層階に住むデメリット

一番暮らしやすいと言われる中層階ですが、デメリットもあります。

防犯も完璧ではない

低層から中層階の場合、1階よりはましとは言え、外から部屋の窓が開いているかどうか容易に確かめることができます。空き巣のプロは雨どいやちょっとした塀など、とんでもないところから侵入してきます。特にベランダに面した掃き出し窓は施錠をしていない家もあるため、ベランダから侵入する手口はなくなりません。

たとえば、玄関がオートロックでも、住民にまぎれて中に入り込み、エレベーターで外から目星を付けた階に行きます。そこで誰もいない時を見計らって非常階段に出て、そこからベランダ伝いに狙った家に侵入するのです。

エレベーターがないと大変

急いでいる時は階段、普段はエレベーター、と使い分けができればいいのですが、エレベーターなしの物件だと4階以上は体力に自信がないときついかもしれません。大きな荷物を持って上がるのは大変ですし、新聞入れが1階なら、毎朝取りに行くのが面倒でやめてしまう人もたくさんいます。

また、引越しや大荷物の搬入を頼む際に、階段料金を取られることも覚悟しておきましょう。ただ、その反面人が入りにくいため、家賃が思ったより安くなっていたり、大家がかなり念入りにおしゃれリフォームをしていたりすることもあるので、チェックをしておいて損はありません。

最上階に住む

マンションやビルの最上階はあこがれという人も多いでしょう。眼下に広がる夜景を見ると、都会を独り占めした気分になれます。

最上階に住むメリット

ペントハウスと言って豪華な一部屋の作りになっている最上階の多くは、大家が自分で住むために設計しているので他の部屋よりかなりグレードが高いです。また、屋上部分に追加で建てたような小さな家は、都会にいながら庭付き一戸建ての気分が味わえて、最上階物件は個性的です。

とにかく気持ちがいい

自分より上に誰もいないため、騒音もないし、風通しも日当たりも抜群でしょう。ただ、風が強すぎてベランダには何も置けないことがあることは覚悟しておいてください。

最上階に住むデメリット

エレベーターが止まってしまうと大変だということは想像しやすいですが、他にもデメリットがあります。

暑い

夏は直射日光に直撃されるうえ、最上階に一部屋だけで三方が窓になっているような物件は、とんでもなく暑いです。エアコンを全開にしてもまったく冷えないこともあります。

家賃が高い

部屋のグレードが高いことが多い分、最上階だけ家賃がぐんと上がることもあります。

同じマンションでも階によって、家賃は様々です。選ぶ際には家賃だけでなく、その階に住むメリットとデメリットをよく考えてから選びましょう。