賃貸物件の仲介手数料の相場と上限について

自社物件を持たない賃貸メインの不動産屋は、大家と借り主から受け取る仲介手数料が収入源です。ですが、最近では仲介手数料を無料とする物件も増えています。そこで今回は、この仲介手数料について、相場や上限、しくみや注意点などを紹介したいと思います。

仲介手数料は必ず支払うもの?相場は?

不動産会社を通して賃貸住宅の賃貸借契約をしたときは、不動産屋に仲介手数料を支払うことになります。ただ店頭で物件の紹介を受けたり、内見に連れて行ってもらったりしただけでは、契約につながらなければ仲介手数料は必要ありません。この仲介手数料の金額については、法律で決められた規定があります。

賃貸の部屋を借りるときは仲介手数料が必要

仲介手数料とは、不動産屋を介して、物件の賃貸借契約が成立したときに、依頼者から受け取る手数料のことをいいます。不動産屋は、自社所有以外の物件は、家賃は借り主から大家に支払われるものなので、内見や契約に関わる手数料のみが収入になります。

不動産屋は、大家と借り主のお互いの間を取り持つ役割ということになり、依頼者とは大家と借り主を指します。宅地建物取引業法により、仲介手数料を受け取るのは、大家だけ、借り主だけ、大家と借り主両方から、と依頼者の承諾があれば自由に決められることになっています。

支払う場合の相場はいくら?

不動産屋が受け取れる仲介手数料の上限額は、成約した物件の家賃の1.08倍の額を上限とすることが、宅地建物取引業法で決められています。上限ということは、それより安くすることもできるのですが、そんな不動産屋は見たことがありません。

賃貸物件の広告で仲介手数料無料としているものがありますが、入居希望者は無料でも、その分、大家から仲介手数料1か月分を受け取っています。そのため、仲介手数料の相場としては、無料から家賃の1.08倍の額まで、となります。

家賃何か月分?決められたルールはあるの?

仲介手数料が無料の物件と、家賃の1.08倍の仲介手数料の物件では、多くの人は無料になる物件を選びたいと思いますよね。

しかし、「そこに何かウラがあるのでは」「騙そうとしている悪い不動産屋なのでは」「あとで何かしらの徴収があるかもしれない」など、疑問を感じる人もいます。法律で定められたルールはどうなっているのでしょうか。

借り主だけ、大家だけ、両方が払う場合も

上の国土交通省の説明を分かりやすく説明すると、不動産屋が賃貸物件を入居希望者に紹介して契約した暁には、その物件を持つ大家と、賃貸物件の借り主から、その家賃に1.08を掛けた金額を限度として、仲介手数料を受け取ることができるという意味です。

つまり、家賃50,000円の部屋を契約すると、50,000円×1.08倍=54,000円 が仲介手数料になります。もちろん、限度としていますので、それ以下の金額でも良いわけです。

1.08倍を超えなければ仲介会社が金額を自由に決められる

ここで気をつけたいのは、54,000円の仲介手数料は、大家と借り主の両方から受け取れる合計額、という点です。しかも、どちらか一方から受け取れる額は、0.54倍である27,000円まで、となっています。

「依頼者の承諾を得ている場合を除き」との文言があることから、大家と借り主の承諾がなければ、仲介手数料の上限は27,000円まで、ということになります。借り主の承諾なしに仲介手数料を家賃の1.08倍、つまり50,000円の家賃なら当然のように54,000円を仲介手数料として徴収することはないということです。

1.08倍以上を請求されたら?

仲介手数料を家賃の2か月分請求する不動産屋があったらどうしたら良いでしょうか。答えは簡単です。そんな悪徳不動産業者と契約しても、何も得することはありません。弱い立場である借り主の無知を良いことに、法定額よりも上乗せしてだまし取ろうとする業者とは縁を切るべきです。

もし、契約した賃貸物件の居住中に何か困ったことが起きて不動産屋に相談したとしても、頼りになってくれるわけがありません。それどころか、更新手数料を高く徴収されたり、退去の際には、覚えのない修繕費を高額請求されてしまうかもしれません。

仲介手数料なしの物件は本当にお得?

敷金と礼金が無料の物件をゼロゼロ物件と呼び、初期費用がお得になる物件として賃貸情報検索サイトなどでも、かなりの数の物件が登録されています。絞り込み条件で、ゼロゼロ物件の選択肢として選べるほど、認知度は上がっています。

それに加えて、さらには仲介手数料が無料になる物件を、トリプルゼロ物件と呼び、さらにお得感を強調し成約につなげようとする物件が増えています。

必ずしもお得にならないからくりがある

そうまでして不動産屋は賃貸の借り手市場で少しでも入居者を増やす営業努力をしています。しかし、手数料が得られないと不動産屋はどこから収入を得ているのでしょうか。

それは、大家から上限額の仲介手数料を得ていることが考えられます。さらに、広告料としてさらに大家から手数料を得ていることもあります。ということは、大家が負担しているのだから、借り主にしてみれば何の不都合もないから、やっぱりお得と判断して良いのでしょうか。

メリットがあればデメリットがあることも理解しよう

初期費用が安くすむならそれに越したことはありません。しかし、あまりにも大家の負担額が大きければ、その分をどこかで穴埋めしようと思う気持ちがあるかもしれません。それが、相場より高い家賃となるか、退去時の敷金から補填しようと思うか、それは分かりません。

原状回復に対する知識が少しでもあれば、退去の修繕費などの不当な請求には対抗することもできますが、何の知識もなければ言いなりのまま支払うことが多いのではないでしょうか。

誠実な不動産屋と大家にめぐり会えれば仲介手数料無料はメリットになりますが、そうでないとデメリットになることもある、と考えておいたほうが良いでしょう。

まとめ

色々なことで契約の手続きはありますが、印鑑を押すときはよく内容に目を通し理解することが肝心です。不動産の賃貸借契約時でも、分からない不動産用語などは調べたり、その場で質問したりして、不動産屋の説明に納得が行かないときには契約をしない勇気も必要です。

事前に、敷金や礼金や仲介手数料などの料金のしくみをインターネットなどで調べて少しの知識があれば契約トラブルも防ぐことができますね。

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