敷金と敷引、礼金の違いは?退去時にお金は戻ってくるの?

賃貸物件を探すときには、賃料の項目以外に「敷金(敷引金)」や「礼金」といった項目があります。特に、はじめて賃貸を探す人は、この項目の詳細を理解していないケースが多いです。また、敷金に関しては知っておかないと損することもあります。

そこで今回は、敷金や敷引、そして礼金について詳細を解説します。この話は「退去時に戻ってくるお金にも関連するので必ず確認しましょう。

敷金と敷引、礼金の違い

まずは、敷金と敷引、そして礼金との違いを解説します。合わせて、相場金額なども解説するので確認してください。

敷金と敷引の違いとは?

敷金とは、「賃借人が住宅を壊したり汚したりした場合の修繕費、もしくは家賃滞納時に備える費用」であり、賃借人からオーナーへ預け入れるお金になります。一方、敷引とは「賃借人が退去時に原状回復費用をあらかじめ決めておく費用」になります。一般的には敷引は関西でしか利用しません。

関東では、敷金を預け入れておき、退去時に修繕費用などが生じれば、その費用を敷金から差し引いて賃借人へ返還します。関西では、退去時費用を敷引として決めているので、その金額は退去時に返還されません。

つまり、仮に修繕費用が0円だとしても敷引金は返還されないということです。さらに、修繕費用が敷引金を上回れば追加で請求されます。

礼金とは?

礼金とは、基本的にはオーナーへ支払う金額となります。実際には、オーナーは不動産会社に仲介手数料を支払うことになるので、礼金と仲介手数料を相殺がすることも多いです。

敷金と礼金の相場金額

つづいて、敷金と礼金の相場金額についてです。また、敷金や礼金は交渉できるかなども併せて解説します。

最近の相場金額は?

結論から言うと、敷金・礼金の相場金額は物件によってマチマチです。2017年3月現在で言うと、一般的には敷金・礼金は1か月ずつという物件が多いです。基本的にはその物件のニーズや、不動産市況によって左右されます。

つまり、物件に空室が多ければ成約率を高めるために、敷金・礼金を下げることはあります。また、時期的にニーズがたくさんある時期(3月など)は、敷金・礼金を高めに設定するケースが多いです。

交渉はできるのか?

敷金・礼金の交渉はほとんどできないケースが多いです。なぜなら、敷金・礼金はオーナーが空室対策で真っ先に下げる金額だからです。オーナーが空室対策として下げることができる金額は、賃料・敷金・礼金の3項目です。

ただし、賃料を下げることは、ほかの賃借人の手間と、今後の収益を考えると最後の手段です。そのため、まずは敷金・礼金を見直すことからはじめます。つまり、敷金・礼金を下げるのであれば、既にオーナーが決断しているので、敷金・礼金の設定を賃借人の意向で変えることは少ないのです。

敷金や礼金が高くなるときは?

敷金や礼金が高くなるときは上述した通り、物件の状況によります。また、以下のようなケースのときには敷金は高くなりがちです。

  • ペット飼育可能なマンション
  • ファミリータイプのマンション

要は、傷や汚れが付きやすいときには、敷金が高くなりがちです。ペット飼育可能な場合には、ペットによる傷や汚れが付きやすいです。また、2LDK以上の物件を借りる人は、子どもがいる場合が多いです。子どもがいる場合も傷や汚れが付きやすいので、敷金を高めに設定することが多いです。

上記のような物件は、「敷金2か月分」と設定することもあります。少なくとも、「敷金無料」とする物件は少ないです。

退去時に返ってくるお金

先ほど言ったように、敷金は基本的に退去時に戻ってくるお金となります。しかし、「原状回復」に要する費用は差し引かれるので、原状回復の定義などは理解しておいた方が良いです。

原状回復の定義

原状回復は、国土交通省がガイドラインとして定めています。そのガイドラインの中に、原状回復を以下のように定義づけています。

「賃借人の居住、使用により生じた建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

※参照URL: 国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

原則として経年劣化はオーナー負担

上記の原状回復の定義を要約すると、「経年劣化分はオーナーの負担であり、故意や過失による傷や汚れの補修は賃借人の負担」という内容です。たとえば通常生活で付くであろう「スリッパの傷」や「クロスの汚れ」に関しては、経年劣化なのでオーナーが負担します。

そのため、あまりにひどい使い方をしない限り、賃借人が負担する必要はないのです。この原状回復の定義については、あまり世の中に浸透していませんでした。そのため、昔は経年劣化分まで全て賃借人が支払うことも多かったですが、今ではそのようなことは少なくなってきています。

特約を付ける場合もある

また、前項のような状況を受けて、「当たり前の状況に戻った」とはいえ、従来よりもオーナー負担が増加したのも事実です。そのため、賃貸借契約の特約として付けるケースが多くなってきています。

たとえば、「退去時に一律30,000円のクリーニング費用を支払ってもらいます」や、「(部屋の広さに応じて)、○○万円の補修費・修繕費が必要になります」などの内容です。これは、関西で言う「敷引金」と同じような意味合いがあります。

賃借人が気を付けるべきこと

このような状況を受けて賃借人が気を付けるべきことは以下の通りです。

  • 礼金は戻ってこないお金であることの認識
  • 原状回復の定義を理解する
  • 特約が付保されているか確認する

まず、礼金は戻ってこないお金であることを認識しましょう。敷金は、部屋の使い方によっていくら返還されるかが決まります。

また、上述した「原状回復の定義」については、必ず理解しておきましょう。未だに多くの人が、経年劣化分も賃借人が支払うと思っています。さらに、賃貸借契約に特約が付いているかも確認しましょう。特約には金額まで明示されているので、その金額は確実に敷金から差し引かれます。

このように、敷金・礼金の内容を知っている状態で賃貸借契約を結びましょう。特に、敷金については、原状回復の定義を理解しているかどうかで、請求される金額が大きく異なります。また、最近では特約を付ける場合もあるので、契約時にしっかり確認しておきましょう。

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