東京都内で待機児童数が少なくて子育てしやすい街はどこ?

「日本死ね」という過激なブログでも話題になった待機児童問題。保育所不足は大きな社会問題になっていますが、正直に言えば解決の糸口はみつかっていません。これから子どもを産みたいという人には、保育所がみつかるかどうかは死活問題です。

東京都内で保育所に子どもを入れやすいのはどこでしょうか?

東京の保育所の種類

東京都の保育施設には一般的に「認可保育所」「認証保育所」「無認可保育施設」の3種類があります。費用は認可保育所、認証保育所、無認可保育施設の順に高くなります。

認可保育所

広さや保育士の数、防災や衛生などに国が決めた基準があります。これをクリアしたと認められると、都道府県知事が認可します。公的な補助が大きいため保育料も安く、とりあえず多くの働く親はここを目指すことになります。

認証保育所

東京都独自の制度です。保育料も80,000円くらいとそれほど高くはなく、また0歳児保育や長時間保育もやっているので人気があります。便利な駅前のA型と保育室から発展した小規模で家庭的、かつ住宅街の中などにあるB型があり、いずれも使い勝手はいいのですが、いかんせん数が少ないので通える場所にはないという人が多いです。

認可外保育施設

認証保育所ではない無認可の保育施設です。無認可というとよくないイメージがありますが、たとえば企業や大学が独自に社員や学生のために設けている保育所や、夜働く人のための深夜やっている保育所などもこれに入ります。

一般的に言えば保育料は高く、どうしても認可、認証保育所に入れなくて経済的に大きな負担になってくる人が多いでしょう。

東京都の公式発表を見てみよう

とりあえず東京都の報道発表資料「都内の保育サービスの状況について」を見てみましょう。

ただ、待機児童問題に関してはどうしてもみつからなかったり、百人待ちと言われて諦めて転職や辞職をしたり、通うには遠すぎる保育園しかなかったりして結果諦めるしかなかった人も少なくないので、発表数字が実数ということはなく、子育てに悩む人の数はもっとずっと多いことは頭に入れておかなくてはいけません。

都内で待機児童が多いワースト市区町村は?

東京都の発表による待機児童の数ワーストランキングは以下の通りです。

  • 1位 世田谷区 1,198人
  • 2位 江戸川区 397人
  • 3位 板橋区 376人

くり返しますが、表面上の数字に出てくるのはごく一部です。なぜなら、本当に困っている人は引越したり仕事を辞めたり認可外の保育施設をなんとか探したりしているからです。

こうやって見てみると、世田谷区の数が群を抜いていますね。やはり駒沢公園や砧公園など、自然が豊かな都市型公園があったり、多摩川の河川敷があったりと子育てしやすいイメージがあります。また、都会すぎないので住むにはちょうどいいというイメージも強いでしょう。この世田谷人気は当分続きそうです。

都内で保育サービス利用児童数の増加が大きい区市町村は?

サービス利用児童数ということは、共働きまたはひとり親で、保育所に入れている家庭の子どもということですね。

  • 1位 世田谷区 1,124人
  • 2位 杉並区 894人
  • 3位 練馬区 891人

こちらは前年からの増加数となっています。

ここでも世田谷区が1位ということは、サービス利用者数の増加が増えているのに待機児童数が多いということで、世田谷区の子育てはなかなか大変そうです。

待機児童数の増加が大きい区市町村は?

指標としてもう一つ、待機児童の数が増えている区の前年からの増加数です。こちらはちょっと様子が変わってきます。

  • 1位 中央区 144人
  • 2位 荒川区 116人
  • 3位 江東区 110人

こちらは中央区、荒川区、江東区というやはり大規模マンションの建設が多かった地域でしょう。

※参照URL:東京都 報道発表資料 「都内の保育サービスの状況について」

意外と都心が狙い目だが……

ここ最近、東京で子どもを産んだ働く女性に話を聞いてみると、ある程度収入があるのであれば、都心のほうが保育園には入りやすいと言っています。

都心のほうが入りやすい理由

まず、子どもの数です。たとえば都心で待機児童がないことで有名な千代田区は、人口比に比べて子どもの数が少ないことが理由なのだと思います。その点、郊外の区のほうが保育園に落ちる可能性は高いですね。

実際にバリバリ働いている会社員のお母さんで、子どもを産んですぐに0歳保育に預けて職場復帰することを望んでいた人がいたのですが、同時に子どもを大きな公園や運動場がある郊外で育てたいと考えて港区から世田谷区に引越しました。

しかし、世田谷区では0歳保育に入れず、せっかく買ったマンションをすぐにまた売って港区に戻り、出産後すぐに職場復帰できたという人もいました。

高額納税者でも入りやすい

保育園の運営には私たちの税金が使われているわけですが、実はたくさん税金を払っている高額納税者ほど保育園に落ちるという不公平感はずっとあります。その点、都心部は収入が多い人が多いので、高額納税者でも保育園に子どもを入れやすいというメリットがあります。

状況が一気に変わることも

待機児童問題の難しいところは、箱もの中心なので一朝一夕に保育園が建たないということです。しかし、マンションはどんどん建ちますよね。大きなタワーマンションが近所に建っただけで、状況はガラッと変わります。

たとえば大きなマンションの建設ラッシュだった江東区、豊洲や枝川などは生まれる前から予約をしても百人待ちとか、もうどう考えても無理という悲鳴が聞こえてきます。無認可にすら入れず、仕事を泣く泣く辞めたという人もたくさんいます。

中には保育所どころか、近所の小学校も定員オーバーになってしまったという話もあって、マンション建設ラッシュの地域は子育て中の世代にはあまり評判がよくありません。

23区外はどうなっている?

東京23区内では待機児童数ゼロは千代田区のみですが、23区外はどうなっているでしょう?

23区外に出ればかなり見つけやすくなる?

東京都の市区町村で待機児童数がゼロなのは13自治体で、うち12自治体が23区外です。諸島部や桧原村など、都内に通勤するのは難しい場所は軒並み待機児童ゼロですが、福生、東大和、清瀬なども発表されている待機児童の数は一桁です。

例外的に待機児童が多い場所も

とは言え、中には23区並に多いところもあります。たとえば、三鷹市や府中市、東村山市などです。これらの地域はたとえば新宿まで20分程度だったり、あまり混まない路線があったりと通勤に便利なのが特徴です。

基本的に23区外に出れば待機児童問題はましにはなりますが、場所にもよるということは覚えておきましょう。状況は変わるので、常に最新の情報を入れておくことも大事です。

待機児童問題をなんとかしたいなら

一朝一夕に待機児童問題がなくなるとは思えません。しかし、私たち一人一人が考えてできることはあるはずです。

政府に働きかけよう

待機児童問題は社会問題ですが、保育所を作るという箱もの行政に頼りっきりでは根本的な解決にはなりません。自治体としても人口動態が変化するため、そう簡単に保育所を増やせません。さらに、現在の若者世代は高齢になった時の年金も満足にもらえない可能性が高く、一円でも多く将来のために貯蓄をすることが求められている世代です。

そんな世代からさらに年金や税金を上積みするというのは、生活そのものが成り立たなくなる人が続出してもおかしくありません。

そこで現在のような箱もの行政中心から、ベビーシッティングなどを含めて自分に合った方法を幅広い選択肢の中から選べるようにするべきでしょう。一朝一夕に変わるとは思いませんが、私たち国民が声を上げていかなければ何も変わらないのです。

福利厚生に注目しよう

保育所不足問題から、独自で保育施設を設ける企業が増えています。子育てとの両立ができずに有能な社員が離職してしまうのは企業にとっても損失であるという考え方からですが、中には正社員ではなくパートやアルバイトでも併設の保育施設を使うことができる企業もあるので、そういったところを積極的に探していくというのも一つの手でしょう。

まとめ

少子化問題が叫ばれて久しいというのに、日本の子育て環境はなかなか改善しません。しかし、特に女性の場合一時的にせよ子育てのために離職してしまうと同じ条件での再就職は難しく、生涯獲得賃金に大きな差ができてしまいます。

働き続けるためには積極的に政府に働きかけることと、自分の収入やライフスタイルに合った保育施設がある場所を探すこと、両方をしていく必要があるのだと思います。

ページトップ