内見なしで賃貸契約を決めるのはトラブルのもと

今ではインターネットの賃貸情報サイトで一つの物件に対して、写真が何枚も掲載され、実際に足を運ばなくてもかなりの情報が得られる便利な世の中になりました。遠くに引越すときでも、ある程度インターネット上で物件の候補が絞られるのはとても便利です。

しかし、絞り込むまではインターネット上で決めても良いかもしれませんが、内見もしないまま決めて契約しようとするのはおすすめできません。

賃貸情報サイトで物件の画像を見たから内見は不要?

高速ブロードバンドの登場により情報化社会が進み、生中継の動画配信サービスや高画質の画像の読み込みも、パソコンでもスマートフォンなどのタブレット端末でもストレスなくできるようになりました。

そのため、賃貸情報サイトでは、物件の情報ページを文字情報だけでなく、視覚的に訴えるために多くの写真を掲載するようになりました。建物の外観、リビング、キッチン、浴室やトイレ、ベランダの様子など、一つの物件につき10枚以上の写真を使って物件を紹介するところもあります。

パノラマで、自分が室内の中心に立って360度あらゆる方向を見渡せる内見の疑似体験ができるものもあります。そのため、不動産屋に内見をすすめられても、大体わかったので見なくても大丈夫です、なんて契約してしまう人もいるとか。

お手軽なIT時代の弊害?自らトラブルを招くことにも

実際に足を運ばなくても様々な情報が得られることから、賃貸物件の内見をせずに物件の申し込みをする人もいます。しかし、賃貸物件を選ぶ際は、実際に足を運んで自分で確かめずに契約をしてしまうと、失敗し自らトラブルを招くことになりかねません。

インターネット上の情報だけで判断はできない

スマホの無料のカメラアプリで自撮りをして肌の質をきれいに加工して撮影できるものや、目をパッチリと大きく見せたり足を長く細くしてくれるものは人気です。このように実際の姿そのままではなく、きれいに美しく加工して「盛った」写真を、LINEやTwitterなどのアイコンとして使用する人はたくさんいます。

賃貸情報サイトでも、室内の写真の画像をそのまま載せずに、画面で見たときに見やすいように画像編集ソフトの色調補正で明るくしたり、余計なところが映っていればトリミングして切り取ったり、少しでも物件の見栄えが良くなるように編集している不動産屋もたくさんいます。

そのため、実際は北向きの部屋でなかなか日が差さず薄暗い物件でも室内が明るく感じられ、その印象と実際の落差に住んでから気がつくということもあります。

後から失敗したと思っても文句は言えない

また、物件の位置を地図上で確認して駅から近かったので契約した、という場合でも、実際には急勾配の坂道が続く崖の上に立っている物件だったり、主要採光面側には何も建物がない日当たりの良い物件だと思っていたら新しいマンションができていて日当たりが悪くなっていた、ということもあります。

地図の更新日が古いものだと、その後に開通した道路や建築された建物、閉店したスーパーなど、最新の情報がわからないことがあります。賃貸物件の内見というのは、何も室内の状態を見ることだけがメインではありません。

実際にその場所に足を運ぶことによって、近隣の環境や、住人の様子など肌で感じることもあるものです。室内の写真はきれいでも、外の共用部分やゴミ置き場などの手入れが悪く不衛生な印象の物件もあります。

しかし、物件紹介の写真にはわざわざそんな画像を使うことはしないため、住んでからこんなはずではなかったと思っても誰を責めるわけにもいきません。

決められた期間より前に解約すると違約金がかかる

実際に内見をせずに契約して、引越し当日に初めて物件を見たという人も少なからずいるようです。しかし、頭の中に思い描いていたイメージとかなりの差があったらひと目見た瞬間に引越しのワクワクした気持ちが一瞬にして萎えてしまいます。

「住めば都」という言葉もあるように、そのうち良いところだと思えるようになるかもしれないと期待して生活しても、周囲にもっと良い空き物件を目にするたびにどうにも我慢ができず、早期のうちに退去を決意するケースも多いようです。

しかし、契約期間の2年間を経ずに退去すると、賃貸借契約書の特約で違約金を支払うことが決められていることが多いです。また、短期のうちに引越しをすることになると、再度、引越し料金や新物件の敷金や礼金、仲介手数料や鍵交換代、火災保険料等の初期費用をまた支払わなければなりません。

少額ではないため、引越しを諦めて現在の物件に不満を持ったまま住み続ける人も多いことでしょう。

実際に目と耳と足を使って確認することが大切

上でも述べましたが、インターネットは便利なものですが、その情報を100パーセント鵜呑みにしたのでは失敗することがあります。実際に現地に出向いて自分の目と耳で確かめたこと、つまりは五感を使って肌で感じたことと、インターネット上から受ける印象はかなり違うものと気づくでしょう。

目で見て確認すべきポイント

築年数が古くても、清潔で落ち着いた佇まいの雰囲気の良い物件も見られます。また築年数が浅くても、管理状態が悪く玄関前や通路や階段にゴミが落ちていたり、敷地内に雑草が生い茂っていたりする物件もあります。

管理会社の手抜きなのか、住民から苦情の一つも出ないのか、苦情を申し入れても手入れをしてくれないのか、その辺を疑ってみた方が良いかもしれません。窓のサッシにカビが生えていたり、壁にカビの跡はないか、クローゼットや押し入れの奥にカビで変色した部分がないか、湿った感じがしないか確かめてみましょう。

退去の際に修繕費を負担しなければならないこともあるため、冬場や梅雨の時期などは結露に十分に気をつける必要があり、場合によっては除湿機などで対策をしなければならないこともあります。

部屋についているエアコンがあまりに古い年式のものだと、電気代が余計にかかることが考えられます。事前に見ておけば、新しいものに交換してもらえるかどうかを打診することもでき、そこで交換してもらえるとなれば大家さんの人柄もわかり、安心して住めるのではないでしょうか。

また、クローゼットのサイズは奥行きのサイズが様々で、これなら入るだろうと手持ちのものや市販の衣装ケースが収められなかったり、扉の開閉の向きによってはつかえて閉められなかったりという失敗もあります。

内見ですればサイズを計測できるため、そのような失敗はありません。また、室内に洗濯器設置スペースがないためてっきりベランダにあるものかと思っていたら、実は通路に設置することになっていたという場合もあります。

女性では特に脱水が終わったらすぐに取り出さないと、誰が通るかわからない通路にそのままにしておくのは不安がつきまといますね。

耳で聞いて確認すべきポイント

部屋を歩くと床がミシミシやギシギシと床鳴りが気になることがあります。床が劣化しているのか、シロアリの被害なのか、構造上の問題なのか、不安に感じる人もいます。一軒家の木造住宅と、集合住宅として造られた木造アパートは、使用する材質や壁の厚みにより音の響き具合はかなり違います。

隣室との境に収納スペースがなく、壁一枚で居室同士が連なる間取りだとしたら、隣室の人がくしゃみをしたり缶を開ける音などが聞こえる物件もあります。壁を叩いた音である程度の壁の厚みや音の伝わり具合が想像できます。

隣室の音が聞こえるということは自分の生活音も聞こえるものと思って間違いありません。そんな環境ではなかなか落ち着けなくて、抵抗があると感じる人もいるでしょう。また、少し離れた幹線道路の車の通行音が思ったより大きく聞こえてくるということもあります。

電車の線路が近くなら、電車が通ったときや踏切の音を確認してください。やけに救急車のサイレンが頻繁に聞こえると思ったら、近所に24時間対応の救急医療センターがあったということもあります。夜の寝付きが悪い人や深い睡眠が取れない人はサイレンの音で起きてしまうかもしれません。

足を使って確認したいのはここ

不動産屋の案内で内見を一気に何軒も回るのでは難しいかもしれませんが、気になった物件は内見を終えてからでも、駅からのルートを実際に歩いて確かめてみましょう。夜間の街灯の明るさや、途中に死角になるような危険な場所がないか、夜に見てみないと街の雰囲気がわからないことがあります。

昼間と夜では街の雰囲気がガラッと変わるようなこともあり、特に女性の場合は多少遠回りをしてでも安全な道を選んで歩いた方が良いでしょう。その安全な道がとんでもなく遠いのでは、不便を感じてしまいます。

このようなことも実際に足を使って物件まで出向き確認しないと、インターネットの地図上だけではなかなか判断できないことです。

鼻を使って確認するポイント

ほかにも、製菓工場の近くで常に甘い匂いが漂ってくるというところでは、甘いお菓子が苦手な人やダイエット中の人には厳しいかもしれません。室内に一歩入った途端ジメジメしていてカビ臭い匂いがする物件は、アレルギー体質の人は気をつけた方が良いでしょう。

また、前の入居者が喫煙者でハウスクリーニングをしていても、壁の奥までしみこんだタバコの匂いがだんだんと浮き上がってきて臭うこともあります。タバコの臭いが苦手な人にとっては、住んでいる間に頭痛など体調の不調となって表れるかもしれません。

まとめ

このようにインターネットに掲載されている情報は実際に内見してわかる情報のごく一部であるととらえるべきでしょう。実際に玄関から一歩中に入った瞬間に、直感で気に入る物件や、逆になんとなく嫌な感じを受ける物件というのもあります。

そういう直感は大切にした方がいいかもしれません。つまりは、いろいろとインターネット上で情報を検索したり見たり調べたりしたとは言っても、実際にその場で自分の目で確かめたことが正しく「百聞は一見にしかず」ということです。

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