住みたい街で人気の恵比寿や吉祥寺の家賃相場や住みやすさ

住みたい街で人気の恵比寿や吉祥寺の家賃相場や住みやすさ

東京で長年根強い人気を誇っているのが恵比寿と吉祥寺です。

都心まで自転車でぷらっと行けるにも関わらず、東京ど真ん中という感じでもなく、かつ中目黒や六本木など夜遊びスポットにも行きやすい恵比寿と、自然豊かでありながら商業施設に恵まれていて「そこですべて完結する」と言われる吉祥寺。

それぞれの魅力と家賃相場を紹介します。

恵比寿という町

元々恵比寿はその名前の元になったビール工場の他、大小さまざまな工場がぽつりぽつりとある東京郊外という風情の街でした。明治時代から近所に住んでいる人に話を聞くと、現在のおしゃれタウンというのが信じられないような庶民的な、そして中には女子供があまり足を踏み入れてはいけないと言われているようなちょっと危険な香りのするエリアもあったそうです。

戦後、現在の恵比寿の駅前のあたりに雨後のタケノコのようにバラックの闇市が建ち始め、あっという間に近辺では有名な闇市街、ブラックマーケットができたのだそうです。

昭和の時代は闇市の空気感をそこはかとなく残した市場があり、雑多な戦後の風情が感じられましたが、それも今では恵比寿横丁と言われるきれいな飲み屋街に生まれ変わりました。

一応コンセプトは新橋のような「レトロ」な下町の飲み屋が軒を連ねているような雰囲気を狙っているということですが、昭和の恵比寿を知っている人間からすると「恵比寿もこぎれいになったなあ」という印象です。

恵比寿に住むメリット

ビール工場の跡地が恵比寿ガーデンプレイスとして大規模再開発されたのが、恵比寿が都内屈指のおしゃれタウンに生まれ変わるきっかけだったことは間違いありません。

とにかく交通が便利

山手線、地下鉄日比谷線、湘南新宿ライン、埼京線が使えるため、交通は便利です。さらに山手通りなど、本数が多いバス路線が網目のように走っているので、慣れるとバスでどこにでも行けるようになります。実際に恵比寿に古くから住んでいるお年寄りはバス路線にとても詳しく、どこに行くにも「何番のバスでどこそこへ行って」とすぐにわかります。

グルメスポットが多い

元々工場に勤める工員が多く住んでいたため、昔ながらの激安かつおいしい居酒屋が伝統的に多い地域でした。肉体労働系の人が多かったせいか、塩味が濃いめでにんにくががっつりと利いていたり、安いのに食べごたえがあり、酒がすすむメニューが多いのが特徴です。

さすがに最近はそんな昔ながらの店はかなり代替わりしたりして減ってしまいましたが、その代わりにおしゃれなエスニックレストランや、看板を出さず、インターフォンを押して開けてもらうような隠れ家スポットが次々に進出してきました。

「そういう店は敷居が高くて……」という人でも、駅直結のアトレ恵比寿があるので、食事する場所には困りません。ガーデンプレイス内は高いイメージですが、中にはびっくりするほどリーズナブルな飲み放題の店などもあります。また、ダーツバーなどエンターテイメント性の高い店が多いのも恵比寿の特徴です。

落ち着いた住宅街がある

恵比寿の駅前、ロータリー側は再開発によって非常ににぎわっていますが、ガーデンプレイス方面、住所でいうと目黒区三田のあたりは落ち着いた住宅街になっています。ファミリー層が住む一軒家が多く、意外と穴場物件がひょっこり出てくるエリアでもあります。おしゃれというよりはどこにでもあるような住宅街といった感じなので、肩ひじ張らずに住めるのではないでしょうか。歌にもなった「アメリカ橋」のあたりですが、実際に見てみると普通の橋です。

気になる恵比寿の家賃相場は?

恵比寿の家賃相場は基本的には高めです。それはグレードの高い物件が多く、またやはり場所が便利ということが大きいのでしょう。

ネットで見てみると、相場的にはワンルームでも100,000円を超えていて、家族で住む2LDKや3LDKになると、300,000円くらいと、ちょっとおいそれとは手が出ない感じです。

激安物件は存在する

確かにグレードが高い物件が多いため、普通に探すとそのくらいの家賃にはなりますが、たとえばワンルームで15平方メートル以下など極端に小さいような物件なら、80,000円を切る値段であります。もし実家が関東近郊で荷物はほとんど実家に置いておいても気軽に必要なものだけ取りに帰れるなら、それほど広いスペースは必要ないかもしれません。

また、駅の近所で家とオフィスを兼用のSOHOにと考えている人には、古めの雑居ビルがおすすめです。かなり建て直されていますが、まだまだ古い物件も多く、そういった老朽化した雑居ビルをSOHO可の賃貸に出しているところもあります。

いずれにせよ数はあまりありませんし、便利なので今入っている人がなかなか出ないため、お宝物件に巡り合うのはそう簡単なことではないですが、コツは地元の不動産業者をこまめに訪ねることです。二回三回と訪ねてこちらの人となりがわかってもらえたら、奥から一般には出さないお宝物件の間取り図を「実はね……」と出してきてくれるかもしれません。

吉祥寺という町

都心から近いとは言い難い吉祥寺ですが、昔から歌に出てきたり映画やドラマの舞台になったり、「おしゃれ」「かわいい」というイメージの街です。住んでみたいという人も多く、長らく東京での住みたい町ランキングで常に上位にランキングされています。

意外な吉祥寺人気

吉祥寺がここまで人気になったのはせいぜいユーミンが歌にした頃からだと思っていませんか?全然違います。吉祥寺エリアにどっと人がなだれ込んできたきっかけは、1923年(大正12年)の関東大震災でした。多くの焼け出された人が、このエリアに移住してきたのです。

考えてみれば吉祥寺は武蔵野台地にあり、武蔵野台地と言えば日本の中では地盤が強固と言われる関東ローム層です。当時の一般の人々にそんな地盤の知識があったかどうかはわかりませんが、被害の小ささが多くの人をこの地に呼び寄せたのは間違いありません。

いつくるかわからない巨大地震に備えて吉祥寺に住みたいという人もいるでしょう。確かに地盤は固いし海から遠いので津波の危険もありませんが、断層については存在することはわかっているものの細かいところまでは調べられていないので、直下型地震に対する備えは必要です。

そこで完結する町

吉祥寺が人気なのは、都心まで距離がありながら商業施設が発達していて必要なものはまず町内で揃うというところでしょう。買い物に便利な大型店から商店街まであるような町はほかにもありますが、吉祥寺の大きな特徴は、昔からサブカルチャーの発信地であったため、劇場など、エンターテイメント施設がたくさんあることです。

郊外のターミナル駅でも買い物はできますが、エンターテイメントを楽しむためには都心までわざわざ出なければいけないという人が多い中、吉祥寺は町に施設があるだけでなく、井の頭線で小劇場のメッカ、下北沢に行くこともできます。

吉祥寺の家賃相場は

吉祥寺があまりにも人気なため、周辺部分の物件も「吉祥寺物件」として扱われることも多く、家賃も様々です。純粋に吉祥寺駅から徒歩圏内と考えると、ワンルームで70,000円前後から、2LDKでは150,000から200,000円くらいでしょうか。はっきり言って都心からの距離を考えると高いです。

そう考えると無理して吉祥寺に住まず、近辺の三鷹台なども選択肢に入れるのは賢いことだと思います。吉祥寺まで歩けるのに駅が違うと家賃は10,000円くらい違うこともありますから、範囲を広めて探してみましょう。

恵比寿と吉祥寺、根強い人気の二つの街は特に女性に人気です。ただ、人気なだけに家賃も強気の設定が多いので、できれば他の地域も見て家賃を比べ、その額を出す価値があるのかどうか、判断しましょう。