タワーマンションの低層階と高層階の住みやすさについて

1997年にマンションの建設における容積率などの規制緩和が行われ、その後一斉にタワーマンションが建ち始めました。

便利な場所にある超高層のタワーマンションに住みたいという人も多いと思いますが、本当のところ、タワーマンションは住みやすいのでしょうか?実際に住んでいる人の感想などを含めて紹介していきます。

タワーマンションとは何か

最近ではタワマンという言葉はすっかり定着しましたが、実は「これがタワーマンションだ」という明確な定義は存在しません。一般的に「高層建築」として建てられたマンションと理解していいでしょう。

その形態も様々で、分譲されたものが分譲賃貸として部屋ごとに貸しに出されている場合や、不動産投信(REIT)に組み入れられているものなどがありますが、多くが便利な立地にあることもあり、家賃は高めです。

タワーマンションは立地の良さから値段が下がりにくいという最大の利点があるため、投資や節税目的で購入する人も多く、次々に買い替える人が多いのも特徴です。

なんとなく都会っぽくてかっこいい、便利そう、という理由でタワーマンションに住みたい人は多く、雨後のタケノコのようににょきにょきと建ち、都心部に人が戻ってきています。

どんな人が住んでいるのか

タワーマンションを買う人には将来的に売って住み替えを考えている投資を目的とした人と、便利な場所だから住んでいる人、そして元からの地権者がいます。

住み替えを考えている人の中には、子どもがまだ小さいニューファミリー層もいますし、利便性のために住んでいる人の中には、通院や買い物の便利さにひかれて郊外の自宅を売って買い替えたというシルバー世代もいます。

また、賃貸で借りている人には、事務所兼用のSOHOにしたり、あるいは純粋にオフィススペースとして借りているという人もいます。つまり、タワーマンションは雑多な人が出入りする一つの巨大な空間と思っていいでしょう。

上層階は投資や節税目的で住む人が多く、低層階はSOHOだったり若いファミリーが多い印象です。当然上層階のほうが眺望が良いため値段も高く、部屋の造りもゴージャスです。賃貸であれば月々の家賃は100万円を超えてくるのもざらです。低層階は200,000円弱くらいの家賃からあるので、オフィス兼用の住居にはちょうどいいのではないでしょうか。

また、上層階は審査が厳しく基本的に居住しか認められませんが、低層階はネイルサロンやエステなど、不特定多数の人が出入りするビジネススペースとして使うことが許可されることもあるので、少し落ち着きがないかもしれません。

タワーマンションの特徴

最近建てられたタワーマンションの多くは免震構造となっており、地震の揺れに強いと言われています。また、24時間セキュリティや共同コミュニティスペース、ゲストルームなど、他にはない施設もあります。

コンシェルジュは便利

タワーマンションの多くには昼間はコンシェルジュ、夜は警備員が常駐しています。たとえば、うっかり鍵を落としてしまった時、コンシェルジュに言えば部屋を開けてくれるだけでなく、鍵のスペアを作る手配も同時にしてくれるので便利です。ただ、セキュリティにうるさいところは作れる鍵の本数に限りがあるのでなるべく落とさないに越したことはありません。

共同スペースがある

多くのタワーマンションには、上階の部分に住民が申し込めば使えるパーティースペースや友人が泊まりにきた時に借りることができるゲストルームがあります。自分の家のパーティーにはスペースの制限がありますが、50〜60人くらい呼べる大きなスペースだったり、花火大会の特等席だったり、あるいは住民同士のコミュニケーションの場だったりと多目的に使えて便利なのですが、なかなかこれがトラブルの元になったりもします。

時間が厳格に決まっているので、パーティーが盛り上がっている最中でも容赦なく「消灯します」と言われてしまったり、あるいは汚す人がいたりします。あるいは騒ぎすぎる人もいて、せっかく静かな環境を求めて高層階に住んだのに、パーティーの音がうるさい可能性もないとは言えません。

ゲストルームも、本来はみんなで使うものですが、一部の人が独占して無許可民泊施設にしているのでは?と思われるようなこともあり、住民からの不満が出ていることもあります。

タワーマンションの不安

これからタワーマンションを借りようと思っているけれども、よくわからないとか不安な人もいるかもしれません。実際の住み心地はどうなのでしょうか?

防犯に不安がないわけではない

入り口のセキュリティはしっかりしていますが、一度中に入ってしまうと不安になることもあります。タワーマンションは住み替えや借り替えが頻繁にあるので、同じフロアでも誰がどこに住んでいるのかわかりません。

また、下のほうの階がオフィスフロアになっている場合、不特定多数の人が同じエレベーターで上下するので、不審者が入り込みやすい状況になってしまいます。都心のタワーマンションなら芸能人や有名人が住んでいることもあり、廊下に見たことのない人がじっと佇んでいて、気持ちの悪い思いをすることも実際あるようです。

マンションカーストは本当にあるのか?

最近テレビドラマで、高層階の住人が低層階の住人にマウンティングする「マンションカースト」が話題になりました。実際にあるの?と訊ねられることは多いのですが、基本的に気にするほどのことはないと思っていいでしょう。住人の入れ替わりも多いし、特に賃貸で入るのであれば知り合いにもなりません。

災害が起きた時

上階のほうが眺めもいいし、家賃も高い分気分もいい、やっぱり上階に住みたい、と思っている人、いざという時のことも頭の片隅に置いておきましょう。阪神淡路大震災が起きた時には、神戸のポートアイランドの高層マンションの電気や水道がしばらく止まっていたようです。

マンション自体の作りは頑丈だったため生活はできたのですが、飲み水は給水車に頼ることになりました。その時、そこに住んでいたある方は「夫の価値は容姿でも収入でもなく、20リットルの水を抱えて20階まで階段を上ってきてくれることだった」としみじみ言っていました。万が一の時はこれがわが身に降りかかります。

その方はまだ若く、生まれたばかりの赤ちゃんもいたのですが、旦那さんも体力自慢の方だったので、水の運搬から日々の食料の調達まで働きながら一手に引き受けてくれたので本当に助かったと言っていました。でもこれが女性だけの世帯だったり、体力に自信がない人の家庭だったらどうだったでしょう?

タワーマンションでは、自家発電機や住民用の備蓄物資を自前で備えているところもありますが、未曾有の大災害が起きた時、復旧に何日かかるのか、どの程度の電力が供給されるのか、その間の水や食料の備蓄は足りるのかなど、わからない点や不安な点はたくさんあります。

特にオール電化のタワーマンションの場合、電気がストップしたら終わりです。水も止まるかもしれませんから、カセットコンロ、非常食、ミネラルウォーターなどは常に多めにストックしておくのはとても大切なことです。

もっとひっ迫した状況を考えれば、火災などで緊急脱出が必要になった時に、高層階に素早く動けない小さな子どもやお年寄り、たくさんのペットがいたらどうなるかも考えておきましょう。自分の身を守るのは結局のところ自分しかいないので、いざという時の脱出経路を含めて、低層階のほうが安全なことは確かだと思います。

まとめ

駅に直結していて雨が降っていても濡れずに家まで帰れたり、鉄道路線が複数乗り入れているターミナル駅にあったり、タワーマンションは便利な立地なのでとても住みやすいです。

しかし、その反面他の住人がよくわからなかったり、災害時の不安など、大規模マンションならではの不安もあるので、高層階や低層階の、メリットやデメリットをよく考えてから借りるようにしましょう。

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